院長の余白(2026年4月13日・晴れ)

ポリファーマシーという言葉をご存じでしょうか。
先日、藤が丘病院で講演を拝聴し、あらためてその重要性を感じました。

ご高齢になるほど、病気が増え、薬も増えていきます(多剤併用状態)。
しかし、5〜6種類以上の内服薬を続けると、副作用のリスクが有意に高まることが知られています。
薬が多いことにより、諸々の問題を生じているのがポリファーマシーです。

そして、副作用を“新しい病気”と勘違いして、さらに薬が追加される。
これがいわゆる処方カスケードです。現場では、珍しい話ではありません。

長い年月の中で積み上がった薬を減らすのは、医療者にとっても勇気が要ります。
「本当に減らして大丈夫だろうか」という懸念があり、中止する根拠も組み立てなければなりません。

それでも、薬を見直して減らしたことで、
「なんだか元気になった」「眠気がなくなった」「食欲が戻った」
そんな変化を見せてくれた方を、私は何人も見てきました。

薬は必要なものですが、“増やすこと”だけが医療ではありません。
ときには“減らす勇気”が、生活を取り戻す一歩になります。

2026年04月13日